SSブログ

本日の忍術完結編@くどちゃん [忍情ラプソディ公演に向けて]


Tシャツ(後)10.30入稿データ.jpg

さて、本日の忍術も大詰めでございます。
前回のテーマ「忍情」とはあえて真逆に…
今回はずばり「外道」!
忍びの者の黒い魅力を御覧くださいませ。

『巻物をよく見てみろ』

「影法師」と名乗る七人の忍者が、服部半蔵率いる公儀隠密へ挑戦状を送ってきた。
もし挑戦を受けなければ、将軍家にゆかりのある者逹へ不幸が起こると…

「今宵、子の刻、江戸城の屋根の上にて待つ。挑戦を受ける忍者七人の名前を書いた巻物を持って来られたし。その巻物を我らが受け取ったときから戦いは始まる」

影法師七人の名前と共に、挑戦状にはそう書かれていた。


子の刻。
雪の降る江戸城の屋根の上。
幻也斎(げんやさい)は影法師の1人と対峙していた。

幻也斎「お前が我々に挑戦した影法師とかいう命知らずか?」
影法師「ふん、命知らずはどちらかな…ここへ来たという事は、挑戦に応じるんだな」
幻也斎「勿論。ほらよ、我々七人の名前だぞ」

巻物を投げる幻也斎。影法師はそれを空中で掴み、ちらと中を見た。

影法師「確かに七人見届けた」
幻也斎「それを受け取った時から戦いは始まったわけだな」
影法師「そのとおり。来るか!」

身構える二人。

幻也斎「殺された相手の名もわからぬようではあの世に行って困るだろう、わしの名は幻也斎…」
影法師「そうか、俺の名は夜霧丸(よぎりまる)、あの世の土産に覚えておくが良い!」

夜霧丸の手裏剣が放たれる!
が、幻也斎はそれを軽くいなし…夜霧丸に背を向けた。

夜霧丸「貴様、逃げるか!?」
幻也斎「ふふ、戦う必要もあるまい」
夜霧丸「なに…?むっ……か、か、体が…」
幻也斎「くくく…その巻物をよく見て見ろ!」

震える手で巻物を調べる夜霧丸…すると止め紐に小さな光るものが…

幻也斎「その針には毒を塗っておいた。受け取った時から戦いは始まっているのだからな」
夜霧丸「お、おのれぇっ…!」

高笑いしながらその場を去る幻也斎。
その背中は隙だらけだったが、夜霧丸の手にはもはや刀を握る力すら残っていなかった…



~後書き~

卑怯ッ!!
こんな姑息な手を、恥ずかしげもなく悪びれもせず、しかも敵ではなく味方側が使うという。(おまけに幻也斎は二枚目キャラ)
目的の為に手段を選ばない、ダークヒーローとしての忍者の魅力をよく表したシーンかと思います。



これにて本日の忍術、本当におしまいです。

では劇場でお会いしましょう(^_^)/


コメント(0) 
共通テーマ:演劇

コメント 0

コメントの受付は締め切りました
忍法帳12/12は小屋入り初日でした ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。