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阿佐ヶ谷飲み屋さん [ジャスミン2020]



ひとつめのお話、
読んだよ~とご連絡くださる方がチラホラいらして、いやはや、、目頭が、、
重ね重ねありがとうございます。
なんだか逆にこちらが元気をもらえました。

ますますと、胸が苦しくなるようなニュースが増えて、
何でもない日常が恋しくなる日々ですが、
どうか、健康第一に!
今は、本当にそれですよ。


次のお話ができたら、またこちらにてご案内しますね♪


さて、今日は少しお知らせがあります。

題して
「阿佐ヶ谷の飲み屋さんを応援しよう!」

と言うわけで、早速リンク↓

皆さんもご存じの通り、
今、都内をはじめとする飲食店は、大変な思いをされているようで…
自分の生活を振り返っても、もう外食はめっきりしていませんから、そりゃそうですよね。

ジャスミンが毎年お世話になっている阿佐ヶ谷の街にはステキな飲み屋さんがたくさんあるんですが…例外ではない様子。
いつも打ち上げをする蔵のマスターは元気にしているかなぁ、、、

出向いて行けない状況が本当に忍びなく、何かできないものかなぁと思っていると、

ジャスミンも度々お世話になったフリーペーパー「阿佐ヶ谷演劇」
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この発行者でもある森P(勝手に命名)が、飲み屋さん応援券なるものの発売を始めていました。

残念ながら蔵は参加店には入っていませんでしたが、
マホロバの時に定食屋の小道具を貸して下さったエベスさん他、たくさんの飲み屋さんが参加されています。

晴れて、飲みに行けるときが来たら、ちょっとお得になる券です。
有効期限は無さそうですから、
飲んべえの皆さま、是非♪

近い未来に、ご一緒しましょう!
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※写真は2018年阿佐ヶ谷です。


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ひとつめのお話 [ジャスミン2020]


小さな木造の駅舎からはオレンジ色の夕日が海の彼方にまだ見えていて、
爽やかな風が頬を通り過ぎていった。

重たいリュックサックをおろし、
駅前の商店で買いたての缶ビールをあけ、一気にぐいと飲むと、
乾いた喉に幸福感が溢れていく。
そこへ、さっき買ったアンチョビとウインナーのパンをかじると、
どこか遠い地中海にある海辺のレストランで乾杯をしている気分になった。

続けてもうひとくち。
「あ、ジャガイモ!?」

パンに練り込まれたジャガイモの風味に思わず嬉しくなる。
冷えたビールでまた流し込んだ。


遠くからカンカンと踏み切りの音が聞こえてくる。

誰もいない駅舎の窓からは、夕日が静かに明かりを落としていく。
パンをかじったまま靴紐をほどいて足を放り投げた。
長崎に来て4日目。
歩きまわった足の重みも日に日に増していた。

ゆっくりと入ってきた小さな電車が駅に到着する。
古びた車両から一人、おばあさんが降りてきて、そのまま海岸沿いを歩いていった。

車掌さんが誰もいないホームに降り立ち、指差し、腕時計を確認する。
その仕事姿になんだか心地よさを感じて、私はしばらく見入っていた。

夕日に照らされたその横顔は影になってよくは見えない。

ごくり。
アンチョビを流し込んで、ふーっと息を吐く。
気持ちのよい風がまた駅舎を通り抜けた。

カンカンと次の踏み切りの音が少し遠くで鳴り始めた。

夕焼けがだんだんと色濃く、いつの間にか夜の始まりになっていて、一番星も出てきている。

二両編成の電車には二、三人の乗客しかいないようだった。
しばらく駅に停車をしていたが、車掌さんが乗り込み、車掌室の窓から身を乗り出して、ホームの前方を指差すと、
電車はゆっくりと発車した。

清潔な真っ白の半袖のシャツだけがよくよくと見えている。
と、そのとき、車内の明かりがつき、その走っていく横顔がはっきり映ると、私は、はっとした。

一気に鼓動が早くなる。
電車は構わずにどんどんスピードをあげていく。

待って!

そう、叫びたかったが声が出ない。
私は持っていたパンの紙袋を長椅子に投げ、靴下のまま走って階段を登りホームに出ると、走り出した電車を追うようにカメラのシャッターをできるだけ早くきった。

急に飛び出してきた人影に、驚いて身を乗り出しながらも、
彼は車両の行く手をすぐに向きなおしてしまう。

でも、私は何度も何度も、声を出す代わりにシャッターをきった。


電車はますますスピードをあげて走り、あっという間に見えなくなってしまった。

暗闇に消えた電車に、ひとつ息を吐く。
と、急に息が上がって、汗が吹き出してきた。
シャッターを切っている間、息を止めていたのかもしれない。

しばらく深呼吸をして呼吸を整える。

すっかり誰もいないホームには、波音だけが聞こえてくる。

私は、震える手でカメラのメモリを開き、撮った写真を確認した。
焦っていたからか、ピンぼけがはげしく何を撮っているのかわからないものが何枚か続いた。

途中から写真がくっきりしてきた。
フラッシュを炊いていたのだ。
自分ではいつフラッシュモードに切り替えたのか、全く覚えていなかったが、カメラマンの血が勝手にそうさせたのかもしれない。
あの一瞬で私は26回もシャッターを切っていた。

が、やはり手振れがひどい写真が続いた。
脇の締めが甘かったかと反省もでてくる。
写真を撮るのなんて随分やっていなかったのだ。
東京の出版社を退職したのはもうだいぶ前のことだった。牧之原にある実家に戻り、平日は鈑金工場で事務のパート、土日は実家の茶畑を手伝っていて意外に忙しい。
写真を撮る、そんな暇もあまりないのだった。
久々に、本当に久々に、この旅行に出る前の晩、押入れからカメラを引っ張り出してきたくらいだった。

メモリをおくる度、あまりのひどさにため息がでた。
辺りはもうすっかり日が沈んで真っ暗になっている。

カメラの明かりだけが怪しげに光っていた。


残り3枚、と諦めかけたそのとき、
メモリをおくる手が止まった。

同時に、どこから来たのかわからないほど大粒の涙がぼろぼろと零れてきた。

嬉しさと動揺の波が繰り返し打ち寄せて、自分の胸がドキドキと音を鳴らすのがわかった。

なんとか涙をぬぐいながら、真実を確かめるように、何度も何度もその写真を見返した。
そして、ぎゅとカメラを抱きしめる。


そこには、確かに、写っていたのだ。

 海風に真っ白のシャツが似合う、
あの車掌さんの横顔が。


7年前に亡くなった、恋人の横顔が…

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「できるだけ」の短編集 [ジャスミン2020]


こんばんは

在宅ワークと時短勤務を組み合わせつつ、できるだけ空いている車両に乗ってみたり、
できるだけ家にあるもので献立を考えたり、

そう、、できるだけ、の日々を送っている、いくみです。

ジャスミンの皆、元気です!
たぶん。(笑)
1ヶ月以上会っていませんが、細々とあんなことこんなこと(ほとんど芝居に無関係)をLINEしてみたり。
4月になったらと予定していた色々は、一旦、様子をみている我々。
それぞれの生活を気をつけながら、今はそれぞれに生きています。

皆さまはお元気でしょうか…


長いお篭りやイレギュラーな環境での生活が続いていますので、
知らず知らずのうちに疲れがたまっていたりするものですよね、

固くなった体をほぐして、温めて、ストレッチ。
ゆっくり珈琲とお菓子。
深呼吸、深呼吸です。


ゆっくり珈琲のお供に、
先日は、ずっと行ってみたかったとあるパン屋さんが、
パンの配達を始めたとのことで、
頼んでみました。

小さな箱を開けると、食パンやカンパーニュ、スコーンが入っていて、
心踊りました。
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あぁ、なんだか、こんな気持ち久々だなぁと。
気づかないうちに、心まで緊張していたんですよね。

あまりに嬉しかったので、
このパンをモチーフに、小さな物語を書いてみました。

週末までには、こちらにアップしますね♪

一応、新作、ですね(笑)
今は集って何かをつくりあげることがとても難しいですから、しばらくはそれぞれの日常や小さなお話が綴られるかもしれません。

皆さまの気持ちが緩む、ささやかな楽しみになれれば幸いです♪

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ただ、ただ、 [ジャスミン2020]

飲みたい、、、


ただ、それだけのことも、
今は許されないのですね。

本当に、、、大事は小事からなる、まさにその通りなことが、起こってしまいました。

古の我々祖先の皆様も、だから言っただろうがと、さぞ天国から悔しがっているのでしょう。
いや、大丈夫だろうかと心配してくれているか、祈ってくれているかもしれません。

人類の危機は幾度となくやってきていますが、また今回も派手にきました。
こういうときに、いつも私たちは何かを試されている気がします。

ジャスミンのみんなとは1ヶ月近く会えていませんが、
また笑顔で、ただ、ただ、お酒を飲める日が来るように、、(稽古じゃないのか?(笑)

今はそれぞれの人生を守ることに全力投球!
みんな~踏ん張るぞー!
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